村人「何をバカな! 生肉を焼くなんて常識はずれな……!」
なろう「まあ聞け」
村人「む」
なろう「まずこの村で古くから問題となっている腹痛死。あれは生肉の中にいる寄生虫が原因だ」
なろう「さらにこれは言ってもわからないだろうが生肉には細菌やさまざまな病気の原因が潜んでいる」
なろう「それに火を通すことで寄生虫や細菌を死滅させることができるのだ!」
なろう「さらに火を通す事で肉自体が柔らかくなり動物性たんぱく質の摂取を容易にする」
なろう「人類が加熱調理された肉の消化に必要なエネルギーは生肉の時よりも少ない」
なろう「加熱調理はコラーゲンのゼラチン化を助け、炭水化物の結合を緩めて吸収しやすくするんだ」
なろう「……まあ、こうやって理屈を並べてばかりいてもしかたない」
なろう「どうだ? 試しに俺が一枚肉を焼いてみよう」
なろう「それに醤油と塩コショウと味の素をかけて食ってみれば嫌でも一発でわかるはずだ」
なろう「焼いた肉がどれだけ美味くなるかってことが感覚的にな!」
村人「そんなの……そんなの……」
村人「できるわけないだろ馬鹿が!」ドグシャア!
なろう「ぐぼーっ!?」
村人A「肉に火を通すだと!? うちの村じゃ今まで当たり前に生肉を食ってきたんだよ!」ドガァッ!!
なろう「ぐぼーっ!?」
村人B「そもそも寄生虫や細菌なんて聞いたこともねえ! 適当なこと抜かすな!」メギョオッ!
なろう「ぐぼーっ!?」
村人C「醤油や塩コショウは儀式のためのもんだ! 調理に使うなんて馬鹿の発想か!」ドゴォッ!
なろう「ぐぼーっ!?」
村人D「肉を焼いただけで病が消えるわけねえだろ! そんな都合のいい話があるか!」ズジャァッ!
なろう「ぐぼーっ!?」
村人E「そもそも肉に火を通したら消し炭になるだろ! そんなこともわかんねえのか!?」ザシュッ!
なろう「ぐぼーっ!?」
村人F「テメエがどっかで得た嘘の知識で知識で肉を焼いて村が滅んだら責任取れんのか!?」ゴバァッ!
なろう「ぐぼーっ!?」
村人G「っていうかテメエみたいなブサイク野郎が言うことを誰が信じるか!」グヂョォ!
なろう「ぐぼーっ!?」
村人H「このアスペ! ガイジ! 【差別用語】人野郎!」ザクザクゥッ!
なろう「ぐぼーっ!?」
神父「……」シュボッ
神父「ふーっ……」
神父「なあ、異世界人さんよ。あんた勘違いしてるぜ」
神父「そいつらにとっちゃ『真実を知ること』なんてどうでもいいんだ」
神父「事実として生肉食が身体に悪かろうが、そんなことは知ったこっちゃねえ」
神父「そいつらにとっては『それを実行すれば生活が良くなる知らなかった事実』なんかよりも」
神父「『いまの自分が持ってる知識が正しい』っていう自分の気分を守る方がずっと大事なんだよ」
神父「だがこれは何もこの世界の人間が特別愚かってわけじゃねえ」
神父「アンタ自身も身に覚えがあるはずだぜ」
神父「例えば現代貨幣理論に照らし合わせれば自国通貨を発行する政府は市場の供給能力を上限に貨幣供給をして需要を拡大することができる」
神父「つまりは『金が回ってなくて不景気ならインフレになるまで貨幣を刷ればいい』っていう、ちょっと考えれば馬鹿でもわかる理屈だ」
神父「これはこの世界の人間なら村童でも知ってる。思想や仮説ですらない『厳然とした事実』だ」
神父「だが新自由主義思想に染まった己の信仰に反する馬鹿どもはこの事実を決して信じようとしない」
神父「すでに歴史上も間違いが証明されている自論を言い張るため屁理屈をこねまわし……」
神父「小難しい理屈や言い回しで『結局誰にも何もわからない、すべては気分の問題である』と周囲の人間に思わせうr」
神父「そして経済に興味ない馬鹿な一般人は『なんとなく今までもそう思われていたからそうだろう。この辛い状況を改善できるわけがない』と思いこんで自らの頭で考えることを放棄する」
神父「そして歪んだ思想の結果として正しい解決策を持つ人間をレッテル張りしてでも潰そうとする」
神父「つまりお前の世界のMMT批判論者もそこの馬鹿どもと同じなんだよ」
神父「まあ、俺は生肉で腹を壊した村人相手の祈祷で今後も儲けさせてもらうさ」
神父「そもそも絶対に生肉食を辞めるなって村人に刷り込んだのは俺だしな」
神父「どこの誰かも知らない『正しいお前』と『権威を持つ嘘つきである俺』」
神父「肩書しか見てないそこの馬鹿どもは結局俺を信じるんだよ」
神父「くっくっく……」
村人I「はぁはぁ……やっと死んだか」
村人J「この異世界人の死体、どうする?
村人K「決まってるさ! この場でさばいてくってやろうぜ」
村人L「そりゃいいや! たぶんまた何人か腹痛で死ぬだろうけど、そういうもんだしな!」
村人M「そろそろ村も滅びそうだけど、まあ誰かが何とかしてくれるよな!」
村人N「今日も食いにくくてまずくてなんかうねうね動いてる白い生き物が救ってる生肉に……」
村人たち『感謝を!』
【完】
なんか理由あるんちゃうの?
専門家はいろいろ屁理屈や嘘を言ってるけど
素人はほぼ100%「そんな都合のいいことがあるわけない」
ある程度信用がある通貨じゃないと使えないこととか
信用で言えば金利を見れば一発でわかる
為替やってればどれだけ円が不条理に強いかすぐわかる
なろう主人公「ふむ……では手洗いうがいをしてみたらどうだ?」
アメリカ村人「何をバカな! 手を洗うなんて常識はずれな……!」
なろう「まあ聞け」
イタリア村人「む」
なろう「まずこの村で問題となっているコロナ。あれは飛沫の中にいるウイルスが原因だ」
なろう「さらにこれは言ってもわからないだろうが飛沫には細菌やさまざまな病気の原因が潜んでいる」
なろう「手を洗うことで寄生虫や細菌を死滅させることができるのだ!」
消毒や手洗いをすると病気をもたらす見えない何かがなくなって病気にかかりにくくなることを発見したんやが
医学界からは「見えない何かが病気を引き起こすなんてそんなオカルトじみたことあるわけないやんけ」とぶっ叩かれたんやで
結局生前に評価されることはなかった
生状態の肉を生肉って呼称してたのが謎
短編としてなろうにでも投稿してみたらどうや?
スポンサーリンク
これよな
結局なろうがなろうたる所以は新技術を持ち込んだのがすぐ受け入れられてトントン拍子に物が運ぶ滑稽さや
たとえそれがいい結果を招くとしても実行のためには踏まなきゃいけないプロセスや納得させるべき人がいることを忘れてる
実際の歴史でもそういうこと結構あるからなぁ
さすがにいきなり奴隷制なくしたりするのは経済壊れそうなんだよなぁ
何で奴隷制の話になるのかは知らんが
怪しいけど旨い話に窮乏してる国家や金の余ってる個人がホイホイのっかっちゃう例なんていくつでもあるじゃん
すまんな奴隷制は一つの例やなろうって奴隷制廃止したがりそうやし(偏見)
多分程度の問題なんやと思うわ
そこまで変革の必要がない改革とかならすんなり受け入れられるかもしれんが
社会を根底から覆すレベルの改革をいとも簡単にやっちゃうのはどうなんやろなと
帝政ロシアとか?
南海泡沫事件(イギリス)とかミシシッピ計画(フランス)とか
改革と新技術どころか詐欺やんけ!
よく考えれば詐欺みたいな話でもホイホイのっかっちゃうんだから
別に新技術が受け入れられるまでに面倒なプロセスを踏むのは必然でもなんでもないよね
金は簡単にいっても土地制度の改革が必要になるような場合はすんなりいきそうにないように思うねんな
なろうってよくノーフォーク農法広めたがるけどあれにはまとまった広大な土地を所有してる必要があるけど
中世みたいな教会や領主や自営農民の権利がモザイク状に入り混じった状態からそれ実施するのは至難の業やと思うし
隣で生肉食ってるバカ笑いながら
人と人が協力して生きていくのが国家
その国家という生存システムがなくなれば個人も死ぬんやで
当人達にとっては今見えているものが真実な訳やし
同意を得る必要もあるわけだし、リスクがある以上簡単にやることはできんのやない?
でも俺はもうなろうで3年間ほぼ毎日連載続けてるよ
なろう主人公「ふむ…肉ばかりではなく野菜もちゃんと食べてはどうだろうか?」
村人「お前バカ?死んだほうがいいよお前」
たまに知識で負けるなろう主人公がいてもええやろ
堀江さんは頭良いけど馬鹿の扱いが絶望的に下手だよね
デフレ期はデフレ対策を
インフレ期はインフレ対策を
状況を見て機動的な財政政策をしよう
科学という概念ない異世界に理科の教科書持ってったら最強説
絶対だれしも妄想したやろ
誰も理解してくれないぞ
現実でも天動説すら理解されなかったのに
しかもローマ時代は理解されてた論だったにも関わらずだぞ
引用元: https://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1592982920/