シャミ子「あ、お帰りなさいミカンさん」
ミカン「あら、シャミ子も来てたのね、一緒に柑橘類たべない?待ってていま準備するから」
シャミ子「あっ、手伝います」
桃「………」
桃「(またか…)」
桃「(シャミ子と2人きりの時に乳繰り合おうとするとことあるごとにミカンが帰宅して邪魔をされる…、これで213回目…、これをなんとかしないと)」
桃「(けど、これだけのデータがそろえば、できる…、ミカンがいつ帰ってくるのか分析することが…)」
桃「(そう…データをもとに作るんだ、ミカンが帰ってくる時間を計算から求めることのできるミカン帰宅式を…!)」
桃「(ミカン不在時にシャミ子と乳繰り合うために…!)」
こうして、理系を中心に成績がいい桃の詳細な分析がはじまった…その結果
桃「よし…できた」
桃「これまでのミカンの外出時の移動先、外出の目的、移動時間、経路、外出時間…様々な因子をもとにできたこの計算式…」
桃「このミカン帰宅式をもとにすればミカンが帰ってくる時間を事前に予測が可能…、この式からミカンの帰宅時間さえわかれば、余裕をもってシャミ子とアレできる…早速明日試してみよう」
次の日
ミカン「じゃあちょっとスーパーまで、日用品買い物行ってくるわね」
シャミ子「行ってらっしゃいミカンさん」
桃「……」
桃「ミカンの行き先はスーパー、スーパーまでの距離が…で…、あそこのスーパーまで行くとしたら移動経路は…で…、買うものは日用品…だから…これを式に代入して…」ブツブツ
シャミ子「…桃…?何さっきからブツブツ言いながら紙に何書いてんですか…? 数学の勉強…?」
桃「(よし…、出たっ!ミカン帰宅式によると、ミカンが帰ってくるのは今から1時間37分後…!これだけあれば十分シャミ子と色々できる…!)」
桃「あ、あのっ、シャミ子」
ミカン「ただいまっ」ガチャ
桃「」
シャミ子「あれ、ミカンさん、今買い物にでたはずでは」
ミカン「うーん、その予定だったんだけど、雨が降ってきたんでまた今度にしたわ」
シャミ子「そうだったんですね、あれ?桃、どうしたんですか…?」
桃「あれ、おかしい…、予定と全然違う…、計算は何度も検算してもあってるのに…!」
桃「そうか…、天候を因子として式に組み込んでなかったから…、くそ…それじゃあ、またこれまでのデータを天候の情報を踏まえて式を再構築しないと…」ぶつぶつ
ミカン「どうしたのかしら桃…?学校の宿題…?さっきまで勉強なんかしてなかったのに…」
シャミ子「さあ…」
世界戦を超えろ
その後、桃のミカンに対する分析は熾烈を極めた…
桃「今日は曇り…、ミカンの行き先は…だから…、よし、ぴったり3時間後! あのシャミ子っ!」
ミカン「たっだいまー!」
…
桃「今日のミカンの外出時の服装が…露出多めで…、…気温、湿度が…、今朝のミカンの星座の運勢が…だから…、よしっ、今日は8時間は戻ってこな」
ミカン「たっだいまー!」
……
桃「ミカンが岡山の実家に帰省っ!これは計算するまでもなく今夜はっ…シャミ子っ、わたしもう…!」
ミカン「たっだいまー!」
桃「」
これぐらいやっとけ
忘れ物を思い出して帰ってくるぞ
それから数か月後…
桃「やった…、とうとう完成した…」
桃「天気、気温、湿度、方位、風水、ミカンの服装、テンション、ラッキーカラー、行き先、用途、ルート、柑橘類の残数、メタ子の神託の回数…私のシャミ子とアレしたい期待値…、そのほか35にわたる因子をもとに作成されたミカン帰宅式…ついに完成した」
桃「この式をもとにすれば、これまでの外出したミカンの帰宅時間を寸分の狂いなく計算で求めることができる…!」
桃「よし…、さっそく明日試してみよう…!」
翌日
ミカン「それじゃあ、ちょっと外出してくるわね」
シャミ子「いってらっしゃいミカンさん」
シャミ子「桃、ミカンさん外出しましたけど…、ってまた紙に何か書いて計算してますね…、好きですね、ほんと」
桃「ええと、ラッキカラーが…で…、柑橘類の残数は2…、わたしのシャミ子との…期待値が…で…だから…」ぶつぶつ
桃「(で、でた…)」
桃「(間違いない…、ミカンが帰ってくるのは今から5時間2分12秒後…じゅ、十分すぎるほど時間がある…十分シャミ子と色々できる…)」ワナワナ…
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シャミ子「どうしたんですか、桃?なんか顔が真っ赤ですけど…それに心なしか鼻息荒いような…」
桃「い、いや…別に…そんなことない…、あのシャミ子…それよりその」
シャミ子「なんですか…?」
桃「………」
桃「(いや…待てよ…、これまで幾度となく私の立てた式の予想を覆してミカンは帰ってきた…、今回だって私の予想を超えて早めに帰ってくる可能性もまだ…)」
桃「(言っている…、もう少し様子をみろと……、私の本能が……!)」
シャミ子「あ、あの~、桃?いったい」
桃「あ、ううん。ごめん、シャミ子。もうちょっと待ってみようか」
シャミ子「え!?何の話ですかっ!?」
それから3時間経過…
桃「(そんな……、予想通りだ…)」
桃「(ミカンはまだ帰ってきてない…普段なら予想より大幅に早く、元気よく帰宅するミカンが…ちゃんと私の計算した帰宅時間を覆すことなく帰ってきてない…)」
桃「(これはもう…、成功といってもいいんじゃ…)」
シャミ子「ミカンさん、遅いですね。もう夕方ですけど」
桃「そうかな。多分、あと2時間2分12秒は帰ってこない思うけど」
シャミ子「えらく具体的!?どうしたんですか、桃っ、なんでそんなことが…きゃっ!」
桃「シャミ子…」
シャミ子「ど、どうしたんですか、桃っ…!きゅ、急に…そ、その…、後ろから…抱き寄せたりして…!あ、ああの…!」
桃「……」
桃「(………長い間、ミカンのことを研究した甲斐があった…、これでとうとうシャミ子と…)」
桃「(………)」
桃「………」
桃「(…いや、なにかおかしい。わたしにこんなハッピーが降りかかるはずがないっ)」
シャミ子「あ、あの…!もも…、その…」
桃「シャミ子………、ミカン、帰ってくるの遅いと思わない?」
シャミ子「え……?いやそれさっき私がいいましたけど…え?」
桃「いや、やっぱりおかしい!こんな状況下にあるのにミカンが帰宅しないなんておかしい…!だってミカンなのに…!」
桃「ひょっとしてミカンの身に何かあったのかも…! わ、わたしちょっと、ミカン探してくる!」
シャミ子「えっ、あ、はいっ、いってらっしゃい」
公園のベンチ
ミカン「あいたた…、わたしったらドジね…、まさか買い物の途中で足を捻って歩けなくなっちゃうだなんて…」
ミカン「桃に連絡しようかしら…、ううん、けどせっかく桃が…」
桃「ミカンっ」
ミカン「あれ、桃…貴方なんでここに…」
……
……
ミカン「悪いわね、桃。おぶってもらって」
桃「別に。けど、さすがにミカンがケガをする可能性は式の因子にいれてなかった…ていうか、そういうことなら、もっと早く電話してくれれば…」
ミカン「いやそれはだって…、邪魔しちゃ悪いと思ったから…ねえ、それより因子ってなんの話?」
桃「いやそれは…、そこは引っかからなくていい…」
予測通りにミカンが帰ってこないのもそれはそれでなんか心配なので結局ミカン帰宅式は廃止とした桃だった。
おわり