シャミ子「ところで、前に着てたパーカーはどうしたんですか?」
桃「多分もう使わないし、今はタンスの肥やしになってる」
桃(黒の方がいろいろ気に入ってるし)
シャミ子「えっ、もったいない」
桃「えっ?」
シャミ子「もったいないです! 今の黒セーターほどじゃないけど似合ってたし! けっこう立派なやつですよね?」
シャミ子「そうだ、着ないならもらってもいいですか? 最近肌寒くなってきたしちょうど上着が欲しいと思ってたので」
桃「えっ…いや、どう考えてもサイズが」
シャミ子「サイズなんて後でちょうどよくなればいいんです! 我が家では1年生で買ったLサイズの体操着を6年生まで使ってました! 入院しててほとんど着てないけど!」
桃「そこまで言うなら…まあいいけど…」
シャミ子「わぁ~~…」
桃「本当に大きいね…裾はスカートみたいになってるし、袖も指が出てないし」
桃「袖は私が詰めればいいけど…やっぱりこれは不自然じゃないかな」
シャミ子「いえ、気に入りました! むしろ馴染んでる気さえします!」
桃「えっ、少しも馴染んでないよ? むしろ包まれてるよ?」
シャミ子「むー…私が良いっていったら良いんです! あんまりゆっくりしてたら遅刻しちゃうのでもう行きます!」
桃「えっ、それ着たまま学校行くの…?」
桃(でもブカブカの着てるシャミ子かわいいな…3割増で幼く見える)
シャミ子「くんくん……すんすん……」
シャミ子「~♪」
(*B組教室)
杏里「おはシャミー。なんかすごいご機嫌そうだねー」
杏里「というかその格好どうした? 新しいファッション?」
シャミ子「桃のものをいただきました! 前に桃が着てたやつ! 桃のお古のやつです! どうでしょうこれ? 似合ってますか桃の服?」ニコニコ
杏里「お、おう…? 『桃の』推してくるね…」
杏里(…この笑顔を見て「それ変じゃね?」とか言いづらい)
杏里「…これはこれで趣が…ある人にはある…んじゃない?」
シャミ子「そうですか! 似合ってますか!」
杏里「うんうん、似合ってる似合ってる…おさなかわいい? かんじ?」
シャミ子「よかったです! えへへ~」ニコニコ
杏里(まあ、本人は満足そうだしいいか)
シャミ子「くんくん…くんかくんか……」
シャミ子「~~♡」ギュッ
>>5
マジだった修正
(*D組教室)
杏里「おはシャミー。なんかすごいご機嫌そうだねー」
杏里「というかその格好どうした? 新しいファッション?」
シャミ子「桃のものをいただきました! 前に桃が着てたやつ! 桃のお古のやつです! どうでしょうこれ? 似合ってますか桃の服?」ニコニコ
杏里「お、おう…? 『桃の』推してくるね…」
杏里(…この笑顔を見て「それ変じゃね?」とか言いづらい)
杏里「…これはこれで趣が…ある人にはある…んじゃない?」
シャミ子「そうですか! 似合ってますか!」
杏里「うんうん、似合ってる似合ってる…おさなかわいい? かんじ?」
シャミ子「よかったです! えへへ~」ニコニコ
杏里(まあ、本人は満足そうだしいいか)
シャミ子「くんくん…くんかくんか……」
シャミ子「~~♡」ギュッ
ミカン「シャミ子、今日は朝からご機嫌ね」
シャミ子「あ、ミカンさん」
ミカン「登校の時からずっと着てたけど、その上着本当に気に入ったのね」
シャミ子「はい! なんたって桃の着てたやつですから!」
ミカン(はしゃいじゃって微笑ましいったら)
シャミ子「そうだ、ミカンさん、これ似合ってますか? 普段からオシャレなミカンさんの意見が聞きたくって」
ミカン「ええ、とってもお似合いだと思うわ!」
ミカン(知らない人が見たら変に思うかもしれないけど、こんなに幸せそうな顔見てたらね。それに桃だってまんざらじゃなさそうだったし)
シャミ子「そうですか! よかったです! 私これから毎日これ着て学校来ます!」
シャミ子「くんかっ、くんかっ…すーっ…はーっ…」
シャミ子「~~♡♡」ギューッ
(*A組教室)
「ねえねえ、D組のシャドウミストレスさんが着てるの見た?」
「見た見た! あれ千代田さんが着てたやつのお下がりだよね? ブカブカのパーカー着てご機嫌そうだった!」
「…ひょっとしてあの二人って付き合ってるのかな?」
「いっつも登下校一緒だし、毎日お弁当作ってきてるらしいし休み時間にも会ってるみたいだし…」
「じゃあやっぱり!?」
「つまりアレは恋人の上着着てご機嫌だったと…」
「カレシャツならぬカノパーカー?」
「なにそれかわいい! 微笑ましい!」
桃「……!?!!?」
(*放課後・D組教室)
桃「あのさシャミ子…それ、やっぱり着るのやめない?」
シャミ子「えっいやです」
桃「即答だね……それ、そんなに気に入ったの?」
シャミ子「それはもちろんです、杏里ちゃんもミカンさんも褒めてくれたし」
シャミ子「でも、桃がやっぱり必要ということならお返ししないとですけど…」シュン…
桃(しっぽもへたれてる…そんな露骨にしょんぼりされたら取り上げづらい…)
桃「いや、それを着たいんじゃないし、返して欲しい訳でもないんだけど……せめて学校で着るのはやめようか」
シャミ子「…? なんでですか?」
桃「それは…あらぬ噂が囁かれ……」
シャミ子「噂?」
桃「わ、私とシャミ子が…その……そういう関係とかなんとか……」
シャミ子「?? そういう関係とは?」
桃「だ、だから……付き合ってる…的な……」カァァァ
シャミ子「………なぁっ!?」カァァァ
桃「そういう訳だから、それ脱いでシャミ子、噂が広まって学校で蔓延する前に…」
シャミ子「……」
桃「…シャミ子?」
シャミ子「い、いやですーー!」
桃「なんで!?」
シャミ子「だ、だって、せっかくもらった桃のパーカー…いい匂いするし、包まれてる感じとか……!」
桃「!? 何言ってるのかなシャミ子!? やっぱり返して!
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桃「わがまま言わないで脱いで! このままじゃ周りに誤解されるよ? 宿敵となあなあで付き合っちゃう意志薄弱まぞくと思われてもいいの?」
シャミ子「そ、そうかもですけどぉ……」
シャミ子(なんか…なんか…納得いかない……)
シャミ子「……そ、そう!これはボスまぞくアピールです! 眷属から巻き上げた服を着て…」
桃「却下、眷属になっても家財を取られるつもりはない」
シャミ子「じゃ、じゃあ修行中ということで! これは桃が筋トレに使ってた重量100キロのパーカーであって、これを日常的に着ることで…」
桃「却下、筋トレは闇雲に負荷をかければいいってものじゃない」
桃「わかったら早く脱いで、ほら」
シャミ子「…………やだ…」ムスー
桃「がんこまぞくめ…なんでこんなに頑な…」
シャミ子「……も、桃は私とそう見られるのがいやなんですか!? 」
桃「え」
シャミ子「あ、いや、変な意味じゃなくて! 深い意識はなく! 本当に!」
シャミ子「…そりゃ、私みたいなへなちょこまぞくじゃ不釣り合いかもですけど…でもちょっとくらい…もっとこう……」ブツブツ
桃「わ、私だって! 万一にシャミ子に危害でも加わったら良くないってだけで! むしろシャミ子みたいなかわいい子となんて光栄なくらいだけど! 」
シャミ子「なっ、なっ、っ、なぁっ!?」
桃「…あ」
シャミ子「……」
桃「……」
桃「…………こ、この話やめようか」カァァァ
シャミ子「そ、そうですね」カァァァ
桃「とにかく! いいから脱いで! 上着が欲しいなら買ってあげるから! 」
シャミ子「やだっ! これがいいんですっ!」
桃「チビッ子かっ! ダダこねてもダメって言ってるの! もう無理矢理にでも…」
シャミ子「……うぅ……」グズグズ
桃「えっ、ちょっと…なにも泣かなくても」
シャミ子「うぅ……ぐず……」
桃「…ごめんね、シャミ子。ちょっと強引だったね」
シャミ子「ひぐ……これがいいんです…」
シャミ子「…これ着てると温かくて、桃の匂いするからっ…安心して、近くにいてくれてるような気がして…ぐず……クラスは違うけどずっと一緒にいられるような感じで……ぅう……」
桃「……シャミ子」
ミカン(ニヤニヤ)
シャミ子「でも、元は桃のものだから返さないとで、そう思ったら寂しくて……わがまま言ってごめんなさい…」
桃「…私も、ごめん、ちゃんと話聞いてあげてなかった」
桃「……あのさ、そんなに匂い嗅ぎたかったら二人きりのときには嗅いでもいいし」
桃「授業中は難しいけど、それ以外の時間はなるべく一緒にいられるようにするし」
桃「温かくて安心したいなら……」ギュッ
桃「こうやって抱きしめるから……恥ずかしいし、たまにだけど」
シャミ子「もも……」
桃「だから、お願い。そのパーカーは脱いで欲しいんだ」
シャミ子「…わかりました」
桃「うん、ありがとう」ナデナデ
桃「……シャミ子、脱がせるよ、いい?」
シャミ子「…はい」
ガタッ
「ちょっ、ミカン! 音立てない!」
「ああっ、ごめんなさい」
桃シャミ「「……!!?」」
「あっ、気付かれちゃった…」
桃シャミ「「」」
杏里「あのー…言いづらいんだけどお二人さん、今日は体育委員でこの教室を使う予定でしてね…」
ゾロソロ…
「ごめんね、なんか邪魔できる雰囲気じゃなかったから…」ソワソワ
「ほら、あの二人はやっぱり…」ヒソヒソ
「まさか学校で服脱がせて…なんて」ドキドキ
ミカン「け、決して覗こうとしてた訳じゃないのよ? ただ、ここにみんなで来たら教室から痴話喧嘩の声が聞こえて……」
桃「ミカン、杏里……」
シャミ子「それにいつかの体育委員の人たち……」
杏里「でもちよももー、学校でそういうのは流石どうかと思うなー」
ミカン「そういうことは家に帰ってからにしなさいな」
桃「そ、そういうのじゃない! 脱がせるってそういう意味じゃなくて!」
杏里「まあ、安心してよ、誰にも言わないから!」
杏里「……教室の横通った人たちにも丸聞こえだっただろうけど」
ヒソヒソ、ソワソワ、キャッキャ!
桃シャミ「「」」
(*後日・通学中)
「ねえ、あの二人今日も一緒に登校してる!」
「今日もあのパーカー着てる、やっぱり付き合ってるんだ!」
「毎日恋人のためにお弁当も作ってるらしいし!」
「なんなら同じ屋根の下で暮らしてるとかなんとか!」
「えっ、もう同棲もしてるの!?」
シャミ子「……///」
桃「……///」
二人の噂はあの後瞬く間に学校中に広まり、全校生徒公然の秘密カップルとして末永く微笑ましげに冷やかされましたとさ
桃「シャミ子、なんでまだそのパーカー着てるのかな?」
シャミ子「もう散々噂になっちゃったしいいかなって」
桃「うん…もういいか…」
頑張れ二人とも! この風潮を利用して周りからの支持を得るカップルになるんだ!
おわり
シャミ子っぽいセリフ書くの難しい
おつ
乙